かかりつけ薬剤師の新設で在宅医療が進む?生活への影響は?

かかりつけ薬局制度を新設

厚生労働省の諮問機関、 中央社会保険医療協議会(中医協)が、2016年度の診療報酬改定を発表しました。今回の改定で注目されているのは「かかりつけ薬剤師」制度の導入です。これにより、薬剤師の働き方の幅が大きく広がると期待されています。

2016年度診療報酬  改定のポイント
・「かかりつけ薬剤師」を推奨
・「門前薬局」の調剤基本料引き下げ
・在宅医療専門の医療機関開設を許可
・退院支援に手当を給付
・認知症患者の治療指導、服薬管理などに手当を給付
・大病院への紹介状なしの受診に初診5000円以上、再診2500円以上の定額負担制度導入

今後高齢者の増加にともない、病院のベットの数が足らなくなることが予想されます。2014年の救急車の出動件数598万件のうち、家までいったものの搬送しなかったのが63万件と7%もありました。また、搬送者のうちの30%は入院しない「軽症者」であったという統計があります。

つまり、軽症者には在宅治療してもらい、より重度の患者が優先的に入院できる制度を作ることが、今後の課題となっているのです。また、高齢者では、体が不自由のため通院できないというケースも多く、在宅治療の需要が高まっています。

今回の診療報酬改定では、在宅医療専門の医療機関の開設が認められるようになります。それにともない「かかりつけ薬剤師」の推奨も発表されました。

特に高齢者の場合は、複数の病院に通い、数種の薬を服薬しているという人も多いため、それらの薬の飲み合わせや副作用の管理をする必要があります。病院や医師は、服薬中のもののチェックはするものの、自己申告という面もあり、少なからず「漏れ」があります。

そこで「かかりつけ薬剤師」がすべての処方箋を一元管理することで、薬の飲み合わせのチェックや、それぞれの医師と連絡をとるなど、調剤を完全にコントロールすることができます。

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かかりつけ薬剤師の条件

  • 市販薬を含む患者の服薬状況を把握し、24時間体制で相談に応じる
  • 必要に応じて患者宅を訪問も可能
  • 薬局勤務3年以上
  • 1回の処方では通常の指導料より高い700円が算定

まず、ハードルが高いという印象が強いのではないでしょうか。薬剤師にも私生活があり、24時間体制で相談に応じるというのは、厳しいです。薬剤師の7割は女性で、家庭をもっている方が多く、いつでも呼ばれたら飛んでいける、という人は少ないと思います。また、条件に対しての報酬も高くないです。話し相手が欲しくて119番したという事例もあり、かかりつけ薬剤師制度が逆に薬剤師不足を生む可能性もあります。

かかりつけ薬剤師の推奨の一環として「門前薬局」の基本料金の引き下げも、大きな痛手となります。薬局の収入が減れば、そのしわ寄せは従業員である薬剤師の給料になります。それでは、門前薬局もかかりつけ薬剤師制度をとりいれればいいかといえば、そう簡単ではありません。

たとえば病院Aと病院Bの2つに通院している人がいるとします。もし病院Aの門前薬局にかかりつけ薬剤師を頼んだ場合、たとえ病院Bにしか用がない日でも、わざわざ病院Aの門前薬局に行くことになります。

また、在宅治療というのは患者負担がとても多くなります。患者ひとりのために、わざわざ医者や薬剤師が訪問するわけですから、当然です。病院が一括で人を運送するバスであれば、在宅治療はタクシーのようなものです。

患者にとっては費用や、通院の二度手間になり、医者や薬剤師にとっては不要な相談や訪問が増える可能性がある割に、リターンが大きくない制度といえます。

医療制度はデリケートで一度に改革ができないこともあり、まずは第一歩という意味合いが強いように思えます。しかし、将来的にはさらに規制が緩和されるのではないかと予想しています。たとえばマイナンバー制度は、将来的に医療情報への紐づけが予定されており、マイナンバーを通して服薬状況を伝えるシステムができるようになります。24時間相談も現実的ではないので、そこも緩和されるでしょう。

長時間働けないママ薬剤師や、本業とは別に副収入が欲しい薬剤師さんが、休日や空き時間を利用して訪問調剤できるような制度が整えられ、薬剤師の働き方の幅も広がりそうです。

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