薬のインターネット販売拡大で薬剤師の仕事への影響は?

インターネット販売解禁は時代の流れ

2013年よりインターネット上での市販薬の販売が解禁されました。もはやインターネットは私たちの生活にはなくてはならないものとなっており、あいとあらゆる商品やサービスをインターネット経由で購入することができるようになりました。旅行ツアーの申し込みや飛行機のチケットはインターネット申し込みが当たり前となっていますし、今では住宅ローンもネットで手続きができ、遠隔地の家族や友人はライブ中継で参列するというネットウェディングというサービスまであります。

医薬品のインターネット販売については、薬品の管理や商品の質の低下リスクが懸念される一方で、利便性を求める声も大きく、時代の流れとして解禁されるのも時間の問題でした。特に高齢者や体の不自由な方、一人暮らしで病気になってしまうと、ドラッグストアまで行くのも一苦労です。インターネットの速達便を利用すれば、その日のうちに配達してくれるサービスもあるので、非常に便利です。

そもそも、ドラッグストアや薬局で市販薬を購入する際に、薬剤師に相談するという人も少なくなっており、市販薬販売については薬剤師の存在価値が低下しているという背景もります。十数年前からドラッグストアでは化粧品や生活雑貨、お菓子などコンビニ顔負けの商品ラインナップを揃えるようになり、市販薬も登録販売者の資格があれば取り扱えるものに限定している店舗が多くなっています。店舗を持たないオンライン通販の方がコストを抑えることができ、ユーザーにとっても利便性が高くメリットが大きいのです。

さらにTPP交渉によって、後発医薬品(ジェネリック)の普及が加速しそうです。日本では特許で保護される期間は20年から25年ですが、TPPによって8年まで短縮されます。開発費がいらず、すでに効能データの溜まっている後発医薬品は、製薬会社は販売しやすく、ユーザーは安価に薬を買えるので助かります。インターネットで手軽に、安く薬を買える時代になりつつあります。

インターネットで販売できる医薬品

インターネットでの医薬品の販売が解禁されたとはいえ、すべての医薬品が販売できるようになったわけではありません。インターネット上で販売できる医薬品は「市販薬」「OTC(over the counter)」と呼ばれる一般用医薬品のみです。医師が診察して作成する処方箋は、これまで通り調剤薬局で薬剤師さんに調剤してもらう必要があります。

インターネットで販売のできるOTC医薬品の中でも、いくつかの規制が設けられています。ビタミン剤や整腸剤、消化薬などの日常生活で比較的よく使用される第3類、風邪薬や解熱剤などの第2類が幅広く販売されています。相互作用、副作用、使用法に注意の必要な第1類では、インターネット販売にいくつかの規制があります。

また、医療用医薬品から市販薬として開発されたものの中で、使用実績が一定以上なければ、インターネット販売ができません。まだ開発されたばかりの市販薬の新薬は3年間は「要指導医薬品」とされ、薬剤師による対面販売が義務付けられています。

市販薬とはいえ、年間250例以上の副作用による報告が寄せられており、死亡や後遺症といった重度の事故に繋がる場合もあります。インターネット上で気軽に薬を購入できるようになった反面、安全性のリスクが高まっています。また、インターネット通販では悪質な業者も多数おり、偽物や粗悪品を販売している可能性もあります。

ネット薬局の条件とは・薬剤師の役割

医薬品のインターネット販売が許可されているとはいえ、誰でも好きに販売できるという譯ではありません。国からの許可が必要となり、サイト表記や販売方法について細かな規定があります。消費者はインターネット経由で手軽に医薬品を購入できることに加え、電話やメールで薬剤師さんと直接相談、服薬指導を受けることができる態勢となっています。

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ネット薬局の条件

  • 薬機法により販売の許可を得た実店舗を持つ薬局、薬店
  • 実店舗では週30時間以上営業しており、薬剤師または登録販売者が常時滞在していること
  • ネット販売する医薬品を実店舗でも販売していること
  • 必要な場合、メールや電話で相談が可能であること

ネット販売の条件

  • 購入者が、服薬方法・使用注意書きを理解したことの確認
  • 妊娠中など服用を控える場合の注意書きを明記
  • 医薬品の使用期限を明記
  • オークション、レビュー、口コミ、レコメンド禁止

販売サイトに必要な表記

  • トップページに店舗名称
  • 実店舗の写真
  • 勤務中の薬剤師、登録販売者情報を掲載
  • 販売許可証を掲載
  • 営業時間、住所、電話番号、メールアドレスなどの連絡先

消費者がインターネットで簡単に医薬品を手に入れることができるようになり、服薬履歴の管理が難しくなっています。このため、副作用や相互作用のリスクが高まっており、薬剤師の責任も重くなっています。一方でインターネット経由で気軽に質問・相談ができるようになっているため、これまでより患者さんとのコミュニケーションが増えたというメリットもあります。

市販薬の種類の増加にともない、それぞれの医薬品の知識をしっかりと勉強する必要があります。また、薬剤師には、顔を合わせた対面販売ではない分、丁寧で分かりやすい情報提供が求められます。

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