薬学生の就活の始め方。新卒で就職するならドコがおすすめ?

就職の目的を明確にする

薬剤師の就職活動は、一般企業への就職と違うことが沢山あります。たとえば、大学病院などでは就職試験を実施しているところもありますし、試験にパスしても研修期間を通らないと正式に採用とならないこともあります。自分が将来どのようになりたいのか、そして実際にどのようなスケジュールで動いていくのかを確認しておきましょう。

まずは、就職の目的を明確にすることが大切です。「有名な○○病院を目指しています」といった学生は多いのですが、では何のためにマルマル病院にはいるのか?という質問に答えられない人もいます。就職が目的になっており、その後のキャリアを考慮していないのは危険です。まだ薬剤師試験も受けていないのに、何十年先の将来のことなんてわからない、という気持ちも分かりますが、最初の就職先というのは人生に大きな影響を与えます。

自分の信念をしっかり持っている、という人は素晴らしいと思います。しかし、病院や薬局の経営理念や教育方針には少なからず影響されることになります。例えば、薬局が売上重視の経営をしている場合、やはりあなたも考え方がそのようになります。売上あってこそ、薬局の経営が続けられ、継続的な地域への貢献ができると思うかもしれません。一方で、サービス重視の薬局であれば、患者さんに最適な薬品を丁寧に伝えることが、地域の健康を守る薬局の役目だと感じるようになるでしょう。

どちらが正しいとはいえません。売上を無視したサービスをしてしまえば、薬局経営は成り立ちませんし、お金ばかり気にして患者さんを疎かにしてしまっては本末転倒です。数ある薬局の中から、自分が共感できる経営理念や教育方針を掲げている職場を選ぶことが大切です。

また、薬局が経営方針として事業拡大を目指していなければ、役職がなかなか空かなかったり、売り上げが増えないので給料アップが遅いといった、キャリアへの影響も大きいです。人の役に立つために薬剤師の職を選んだのだから、年収は重視していないという人もいるかもしれません。しかし、それは学生の今だから言えることかもしれません。結婚した後はマイホームが欲しくなったり、家族が増えれば大きな車が必要になります。こどもが薬学部に入りたいとなれば、皆さんもご存じのように、合計1200万円以上の学費がかかります。

薬剤師の給料は一般的な企業と比較すると、低くはないですが、高給取りでもありません。調剤薬局の管理薬剤師で、年収500万円~600万円前半です。手取り年収で計算すると、400万円~500万円です。女性薬剤師さんの場合、結婚や出産という時期で一時的に退職する人が多く、復職後は家事・育児があるので、パートやアルバイト勤務を選ぶ人が大半です。薬剤師のパート・アルバイトは、時給2500円前後です。週3日4時間働いたとすると、12万円の収入です。しかし実際は税金の関係上、年収108万円以下で抑える人が多いでしょう。

文豪ドストエフスキーは「金は鋳造された自由である」と表現しています。お金が全てではないとはいえ、お金が無ければしたい事もできません。お金があれば危険を回避でき、可能性が広がります。これから就職活動を控えている皆さんには、やりたい事や目指している仕事はもちろんのこと、お金のことも疎かにしないでしっかりと考えてほしいです。

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調剤薬局の新卒採用とキャリアパス

調剤薬局は新卒薬剤師の就職先として、人気の高い職場のひとつです。初任給は20万円~25万円で、一般的な企業と比較するとやや高い水準です。就職後も安定して昇給し、年齢x1万円+手当くらいの月収です。調剤薬局の平均的な年収は、400万円後半~500万円台です。福利厚生やボーナスもつくので、比較的安定した収入をもらえる職場です。残業は少なめで、有給の取得や産休制度が整っている薬局が多く、ワークライフバランスのとりやすい職場です。

こちらの記事で調剤薬局のキャリアパスを詳しく紹介しています。
保険薬局(調剤薬局)薬剤師年収650万円キャリアパス

新卒薬剤師で調剤薬局に就職する場合は、個人経営の小規模な薬局はおすすめできません。まず、個人薬局の場合、教育制度が整っていない場合が多いです。薬剤師といえど、社会人としてのマナーや一般常識は今後の長い人生で必ず必要となってきます。たとえば名刺交換をする機会も来るでしょう。しかし、個人薬局ではとりあえずお客さんの対応をしてもらえる人が欲しいくらいの認識しかなく、新人教育のための年間スケジュールなどもありません。新卒をとるのも、給料が安くて済むからという理由の薬局も少なくないでしょう。大事な社会人1年目をそんな薬局で過ごしてしまうと、将来非常に苦労することになります。

とはいえ、教育方針や研修制度がしっかり整備されている薬局も多くはありません。やはり仕事はまずは先輩から学ぶというのが基本ですから、できるだけ大きな薬局で、教えてくれる先輩の多いところが良いでしょう。

また、大規模な薬局であれば、いろいろな経験を積むことができます。例えば総合病院の門前薬局であれば、いろいろな処方箋をもってくる患者さんが訪れるので、いろいろな調剤の勉強になります。しかし、たとえば耳鼻科の隣の薬局の場合、患者さんの大半は耳鼻科の処方です。また小さな病院の場合は重い症状の患者さんは、大病院を紹介してしまうので、専門科といっても比較的軽い症状の患者さんしか来ません。ひとつの科を専門的に学びたいのであれば、病院勤務の方がよいでしょう。

ドラッグストアの新卒採用とキャリアパス

ドラッグストアは新卒の就職先としてはあまり人気が高い職場ではありません。また筆者も、新卒1年目の働き先としてドラッグストアはあまりおすすめしていません

ドラッグストアの初任給は25万円前後で、調剤薬局よりもやや高めの傾向です。新卒の就職先として人気がないこともあり、初任給を高めている企業が多いようです。ドラッグストア勤務の薬剤師の年収は、400万円後半~500万円台です。将来的には管理薬剤師を経て、支店長や支部長へのキャリアアップの可能性もあり、最高年収は800万円~1000万円以上となる人もいます。ドラッグストアは大手チェーンも多く、キャリアや年収の上限が高いのが特徴です。

こちらの記事でドラッグストアのキャリアパスを詳しく紹介しています。
ドラッグストア薬剤師年収700万円のキャリアパス

ドラッグストアでは調剤設備がない店舗が多く、行財業務が全くないということも珍しくありません。主な業務はOTC医薬品といういわゆる市販薬です。ドラッグストアに新卒で入社してしまうと、調剤業務の経験ができなくなってしまい、その後調剤薬局への転職が事実上不可能となってしまいます。またドラッグストアでも調剤設備を整えている店舗はありますが、やはり調剤する回数では圧倒的に薬局に劣ります。

また、最近のドラッグストアでは医薬品の他に、化粧品や生活雑貨、お菓子などを販売しているのが当たり前になっています。ドラッグストアも経営上、薬の販売だけではやっていけないのです。このため、薬剤師といえどレジ打ちや商品の品出しといった業務をしなければいけません。特に新米薬剤師であれば、薬の知識も少ないので、ほとんどの時間をアルバイトのような仕事に費やすことになります。必死に勉強してやっと薬剤師の資格をとったのに、レジ打ちばかりさせられると、存在意義に疑問を持つ人も少なくありません。

マネージメントやマーケティングに興味のある人は、ドラッグストアで支店長や支部長を目指す道もあります。中小薬局の場合は、事業拡大志向の薬局は少なく、ポストも空きづらいため、昇級がなかなかできないことも少なくありません。ドラッグストアは大手チェーンが多く、キャリアアップの可能性が大きな職場といえます。

病院の新卒採用とキャリアパス

病院勤務は薬学生の就職先として非常に人気の高い職場です。医療の最前線で調剤業務に携わることができ、直接患者さんと触れ合う機会も多いので、非常にやりがいのある仕事です。一方で、休暇がなかなか取れなかったり残業が多いなど仕事がハードな割に、給料が低いというデメリットがあることも、認識しておきましょう。

病院勤務の薬剤師の初任給は20万円前後です。正社員の年収も、300万円~400万円台と他の薬剤師の給料と比較すると、年収が低水準です。また、大学病院や大手病院では、採用試験を経て、研修期間がありますが、無給かつ諸経費を自己負担としている病院も多いです。正式採用までは、親の仕送りで生活するというケースも珍しくないので、事前に契約内容とスケジュールを確認しておきましょう。

こちらの記事で病院勤務のキャリアパスを詳しく紹介しています。
病院勤務の薬剤師で年収600万円のキャリア

待遇や労働条件が厳しくても人気があるのは、やはり病院勤務でしか経験できないことが多いからでしょう。一般企業以上に上下関係がハッキリしている病院では、社会人として大きな成長が望めますし、注射薬など調剤薬局では取り扱わない薬品も多く、勉強の期間として選ぶ人が多いようです。

病院の選び方は2種類あります。将来的に研究職や専門的な調剤を追及していきたいと志す人は、大手総合病院や大学病院を目指しましょう。研究職や開発職はやはり実績がモノをいいますから、常にトップクラスの環境で勝ち抜いていく必要があります。大手製薬会社に勤める研究者は、京大や東大といった一流大学出身が当たり前です。狭き門を叩くのであれば、それなりの実績とキャリアが求められます。

とりあえず人生経験を積むという人であれば、中小の病院がお勧めです。あまり大きな病院では、特定の科の調剤しかできない事も多く、偏った知識となってしまいます。また病院では薬剤師の立場は低く、大きな病院では医師と話しをする機会さえ取れません。総合的な知識を身に着けるには、薬剤師業務の全体像を把握しやすい中小病院がおすすめです。新卒採用を毎年行っている病院も多く、教育制度も整っているので、薬学生の最初の就職先として良い環境です。

製薬会社の新卒採用とキャリアパス

製薬会社で研究職や開発職を目指したいという方は多いと思いますが、大学を出たばかりの新卒で研究職に就くことはまず不可能です。基本的には大学病院や大手病院で経験や実績を積んだうえで、製薬会社へ転職するという流れになります。製薬会社で募集している薬剤師の新卒採用は、営業職(MR)募集です。製薬会社で開発した薬を、薬局や病院で使ってもらうために、営業してまわるのが仕事です。

こちらの記事で製薬会社のキャリアパスを詳しく紹介しています。
製薬会社の薬剤師で年収800万円のキャリア

製薬会社の営業職の初任給は25万円前後と比較的高い水準です。平均的な年収も400万円後半~600万円前半と、一般的な企よりも高めです。ただし、営業職なので成果によって給料が大きく左右され、薬剤師といえど売り上げを出さなければ給料アップもしません。

筆者は薬学生の新卒就職先として製薬会社はすすめません。調剤業務がまったくないので、薬剤師としての知識やスキルを身に着けることができないため、将来的に薬局勤務などに転向するということが難しいです。営業職に教務があるという人も、まずは2~3年は病院や薬局で調剤業務を学ぶべきでしょう。薬剤師として病院や薬局にコネクションを作っておけば、営業職に就いた際に非常に役に立ちます。

製薬会社の営業職は、薬剤師の免許がなくてもなれます。つまり、病院や薬局の実際の職場を知らずに営業職に就いてしまっても、薬剤師としての利点が全くないのです。営業成果がでなければ「薬剤師なのに売り上げを立てれない」と後ろ指をさされることにもなるかもしれません。マーケティングやマネージメントに興味があり、販売営業がとても好きだという人でなければ、なかなか務まらない職業です。

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